トップこそ学ぶ必要がある

キッズのためのメンタルトレーニング - 第103回
掲載日:2012年12月11日

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先日、熊本で知らない人はいない会社の経営者と面談する機会があり、社長室でお話することに。社長室に入るなり驚いたことは書物の多さ。自慢ではありませんが、私も書物は多いですが私以上!(この私が多いと思うのですから本当に多いです。笑)
経営者は会社・賞品・売上・経営等を継続して維持させるのではなく、人の心…社員やお客様の気持ちを継続して維持させることが優先と考える私にとって、改めてトップに位置する人こそ「学ぶこと」・「率先すること」の大切さ、重要さを感じました。

トップとは経営者だけを示すものではありません。先生・指導者・お父さんやお母さんなど、集団の長はトップなのです。
私は20代半ばにマネジメントやリーダーシップについて学び、個人~経営者に指導していました。そこで良く使用した「社員は社長の影」という言葉です。社 長の考え方や言動が、社員の考え方や言動になるという訳です。詳しく言えば、社長の物の見方や捉え方という内面から、態度や礼儀、言葉使いなどの外面がイ コールになるということですね。このことを理解されているトップの方は、先日お邪魔した経営者のように自らが率先して学び、実行(実践)されています。こ のような方から指示された社員は、素直に耳や心を傾けると思いませんか?影響されちゃいますね。

外部の方から選手たちの態度や礼儀につい て指摘されるチームがありますが、この問題の原因は「選手」でしょうか!?私は自信を持ってNOと答えます。選手 たちを指導する指導者に原因があるでしょう。自分の考え方や言動が選手に影響することを理解していないか、自分の過去の経験や学んできたことだけをベース に指導していると思われます。時代が変化しているという事実がある限り、人も間違いなく変化します。であるならば、トップの方も時代や人の変化に柔軟に対 応でき、かつ自分自身が変化すること(学ぶこと)が必要ではないでしょうか。

今回の話はスポーツ界や経済面だけでなく、いち家庭にも当てはまると思います。「自分なり」の指導や教育を貫き通すのもいいでしょう。しかし、時代や人は変化しています。
スポーツ心理学では、伝統的コーチングから現代的コーチングへの移行という指標があります。少し紹介しますと、選手に依存する→選手はコーチに影響される。直感的→綿密な計画。権威的→民主的。怒鳴る→納得させる。話す→聞いてから話す。などが上げられています。

私は先週から「一個人」の1月号「論語入門」、スペイン流サッカーライセンス講座、監督・選手が変わってもなぜ強い・を読んでいます。ぜひ、トップに位置する皆様、学ぶこと(知ること・知恵をつけること)を実践してみませんか?


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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