様々な条件にさらすこと

キッズのためのメンタルトレーニング - 第113回
掲載日:2013年5月1日

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先日、キッズの試合観戦に行きました。
「本当に小学1年生?」と思わせるプレーに、着実にサッカーのレベルアップを感じる瞬間でした。
この気持ちは、キッズの試合を観戦するたびに思うこと。
間違いなく言えることは、私の小学1年生の時より上手いですね。

しかし、一方で懸念することがあります。
まだまだ小学1年生の子供に対して「期待」しすぎでは?と。

一生懸命に我が子や自チームを応援する保護者の言葉を聞く限り…。
「何でシュートしないの?」「ボールを奪われないように」「そこはパスでしょ」などプロに要求するような発言が。
私でも(37歳)、シュートできない時もあり、ボールを奪われることもあり、パスがだせない時(周りが見えていない)があります。

では、いつ(何歳)から、本格的にスポーツ技能を学習させるべきでしょうか?

ジュ ニアスポーツの心理学から、技能レベルの高い選手と低い選手の違いは、運動のパターンをコントロールする能力にあるのではなく、様々な条件のもとで運 動課題を創造的に解決していく能力であるとし、子供の技能の発達を促進させる方法は「できるだけ多くの問題解決場面に子供たちをさらすこと」と説明してい ます。
簡単に言えば、積極的にミスをする状況、場面を経験させることだと思います。

そこで大事なことは、子供たちにプレー・成功や目標の基準を自分で決めさせる自由を持たせることです。
なぜと言えば…プレーの実行と学習に興味を持たせ、やる気を高めさせるからです。
また、喜びや楽しみは子供がスポーツへの参加の理由としているから。

期待から生じるプロ顔負けの言葉かけが、逆効果になるケースもあります。
まだまだキッズの子供たちですから。
「今でしょ!」ではなく長い目で。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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