脱 即主義

キッズのためのメンタルトレーニング - 第20回
掲載日:2009年8月25日

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8月も“あっという間”に終わろうとしています。
気がつけば…夏休みも残り僅かとなりました。
この時期になると、子ども達は学校からの宿題に追われ、一生懸命に机に向っているかと思いますが、この経験も長い人生を考えれば必要なことかと思います。
(中には、すでに夏休みの宿題を終わらせている子ども達もおられるかと思います)

私もこの夏休みで毎日素晴らしい経験や学びを得ることができました。

今になり、良いことだったのかと思うことは、小学生の夏休みの宿題にあった「絵日記」です。
私は面倒で意味などないのではと思いながら作成していましたが(笑)この絵日記こそ、夏休み期間の体験や学びを、絵を描き言葉に表現することで(アウトプットすることで)本人の知恵や知識にする効果があり、非常に有効な技法なのです。

知恵を得た子どもは、今からこれからの人生で、同じ境遇(似た境遇)に立った時に、正しい道を選び(選択)し進む(決断)はずです。
つまり、選択と決断となる知恵を教えられるのではなく、自らの実体験を通じて学んでいるのです。

現代、私たちを取り巻く環境は「インスタント化」「即結果主義」だと思います。
この環境で、本当に正しい教育と成長を子ども達に与えることができるのかと疑問を感じています。

なぜ、そう思うのかと言えば「子ども達に自主的な“気付き”を与える前に、即結果や即成長を過度に期待してしまい、自主的な気付きを与える前に、よかれと思い親や大人が手を差し伸べたり、置かれている環境さえも変えてしまう」という現実があるからです。

自主的な気付きといっていますが、「本人に問題を見つけさせること=気付き」といことであり、気付きなくして成長や学びはできません。
植物で例えるなら、綺麗な花を咲かせるためには、土を耕し、肥料を混ぜ、種を植え、水を与え、日光を当て、そして毎日観察しながら、必要なことだけを行い続ける…つまり、時間と必要最小限のサポートです。

いかに子ども達に気付きを与えるか!
そのためにも「即主義」ではなく、1人1人にあった(適した)時間と必要最小限な手助けが必要かと思います。

私はよく保護者(母親)の方に
「新しく購入した化粧品や健康関連の商品・サプリメント、また取り組み始めたダイエットなど、1ヶ月は試して下さい。特別なことがない限り、決して1週間 程度でやめないで下さい。なぜなら約1ヶ月で細胞が人間の細胞が生まれ変わると言われています。1ヶ月後に判断して下さい」と言います。
これも同じ事ですよね(笑)


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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