本当のスポーツバカとは

キッズのためのメンタルトレーニング - 第76回
掲載日:2011年11月15日

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寒さを感じる季節になりましたね。季節の変わり目こそ「体調管理」。私はTシャツが好き(薄着が好き)なもので、調子にのりTシャツで過ごしていま した が…先々週は風邪を引きました。掛かり付けの医者から「季節の変わり目か、疲労している時に来ていますよ」と(笑)「確かに!」と納得させられました。自 分でもわかっている”つもり”でしたが、第三者から言われると納得させられます。

これまで数多くのチームや選手に携わってきました。ま た、22歳でプロサッカー選手を諦めてから、企業人と起業人として社会で生きてきました。(ご飯が食 べられずアルバイトも経験しましたね)。まだ35歳の若輩者のですが、人並み以上の経験を歩んでいると思います。私の経験から「スポーツマンの課題」を率 直に伝えるなら「社会性の欠如」ではないでしょうか。サッカーだけしかしてこなかった人に見られる問題です。

サッカーだけしていればい い。または、サッカーが上手くなればいい。これは本当に危険なことです。熊本県(九州)は礼儀やマナーを重んじる土地柄なので、 多くの指導者の方は「サッカー以外の指導」をしっかりされていると思います。私の好きな指導者の1人であるモウリーニョ氏は「指導者の仕事は、優秀な選手を育てること、どんな分野に進んでも成功できる人間を育てること。確実に言えることは、「全員がプロにはなれないが大人にはなる」。社会・仕事で必要なコミュニケーション・協力判断力・責任はサッカーを通じて学ぶことができる」と。 ここで勘違いされるのは「サッカーだけしていれば社会(仕事)で必要なことが身に付く」のかということです。プレーの指導だけでは身に付きませんよね。 サッカーを中心とした生活(家庭生活、学校生活、社会生活)や人間関係から、また、正しい方向に指導(教え、伝え、導く)することがあって初めて身に付き ます。

最近、コーチングが流行していますが「良いものは良い」「悪いものは悪い」とアプローチの仕方に注意しながらも、子どもに伝えるこ とが大切です。なぜ!? 子どもには「基準」がありませんから。先日、「思考の科学」という書物の中に、思考を効果的にする方法の1つとして「良質な知識を得る」と記載されていま した。簡単にいうと「正しい知恵を身につける」ことですね。

大人になれば、教えてくれる(注意してくれる)人は滅多にいませんし、聴く耳を持てなくなります。大人になる前の段階で「スポーツバカ」と言われないように「社会に社会人に必要なこと」を身に付けさせてほしいと思います。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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