外遊びの必要性

キッズのためのメンタルトレーニング - 第82回
掲載日:2012年2月14日

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熊本城マラソンまで一週間となりました。2~3週間前から一般道をランキングされる方が増えたと思いませんか?私がよく見かける時間帯は夕方から夜 (深 夜)。いくら自分のことと言っても、仕事を終えた後のランニングには頭が下がります。人間は「怖い」と「恥ずかしい」という感情を嫌うそうですが…ランニ ングされている方は「完走できるだろうか」または「途中でリタイヤは嫌だな」などと思う気持ちが、自然な「準備」という行動になっているのではないかと1 人で考えています。ランニングする姿を見る限り、第一回の熊本城マラソンが盛り上がることは間違いないようですね。後は無事に大会が終わることを祈るのみ です。

ロアッソ熊本と契約してからもうすぐ1年ですが、2012年シーズンから「普及ダイレクター」と「事業部次長・ホームタウン担当」 に就任しました。責任あ るポジションとなりましたが、不安よりも「やりがい」を感じています。なぜなら、キッズの皆様と関わりが多くなり、皆様に貢献できるチャンスが広がったか らです。精一杯努力しますので宜しくお願いします。

私の業務である普及ですが、私が考えている普及活動を簡単に説明すれば「熊本の子ども 達に、体を動かす楽しさ、面白さを感じてもらう環境とチャンスを作 る」ことだと考えています。子ども達は体を動かしていないとは言いきれませんが、昔と比べ圧倒的に体を動かす量と機会は減っているのは事実です。実際に公 園で遊ぶ子ども達の姿を見ることも少なくなりましたよね。私(35歳)が小学生の時は、遊び=外遊びで、母から「○○時までに帰ってきなさいと言ったじゃ ない」と怒られるまで、外で遊んでいたものです(笑)しかし、犯罪や事件、公園内の規制、塾などの習い事など、今の社会から考えると外遊びも容易ではない のも事実です。ですから今からの時代は、スポーツや遊びを「させる」ことよりもスポーツをする(遊びをする)「場を作る」・「機会を与える」ことが必要で はないかと思います。しかも大人である親、先生、指導者が協力し合いながら。

子ども達の遊びのトップに君臨するのは「ゲーム」です。ゲー ムは確かに面白いし楽しい遊びですが、「人と触れ合い」や「体を動かす」ことは無に近く、子ど もの健全な発育発達にはマイナス要因となっています。人と触れあいながら体を動かすことも、面白いし楽しいと感じさせる体験を私たち大人が建設的に作り、 与えなければなりません。運動について、熊本でも市内と市外(郡部)の子ども達の比較から、よく言われていることが「身体能力」や「コーディネーション能 力」の差です。一概には言えませんが、市内の子どもに比べ、市外(郡部)の子ども達の方が、体を動かしていることが(機会が)、多いのではないでしょう か。

今回は珍しく真面目な文章ばかりとなりましたが、遊ぶことは体作りだけでなく「人間関係」「自己形成」、そして「勉強」にも大きく影 響します。このことに ついて文献や書物でも多く取り上げられています。子ども達が大人になり、運動神経や人間関係、自分の性格などのことで「恥ずかしい思い」をしないために も、子ども達の本来の姿である「外遊び」を皆様と協力して推進していきたいと思います。これこそ私達大人が子どもにできる「準備」ではないでしょうか?


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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