大人の気持ち

キッズのためのメンタルトレーニング - 第88回
掲載日:2012年5月15日

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忙しいは「心を亡くす」と書きますね。
忙しい時、心の状態はどうでしょうか?「目の前のこと」に心を使っていますか?
先日、あるテレビ番組で「一期一会」の話がありました。私は初めて知ったのですが、一期一会という言葉を生み出したのは、井伊直弼です。
茶道の心得(教え)を具体的にした書物の中で一期一会は生まれました。
一生に一度だけの機会、生涯に一度限りであることを意味していますが、忙しさを感じる時、目の前の出来事に対して「一度だけの機会」と思い、心を使っているか、向けているかと言えば…「NO」ではないでしょうか?

ストレスの原因の1つが、この「心の向き」です。
常に心が何かに向いている、あるいは過度に考え込んでしまう(気にしてしまう)と心に負担が生じます。
例えば、今、私はコラムを書いていますが、書きながらも「あれもこれも」と別のことに考えを向けていると、コラムの内容が悪くなる、落ち着いて書けなくなる、コラムを書きたくなくなるといったことが起こります。
結果…全てが中途半端ってことありませんか?

子どもと接して感じることは「素直さ」です。
ここでいう素直とは「目の前のことに一生懸命」に取り組む姿。
子どもだけに持続力は期待できませんが、大人よりはるかに集中しています。
この子ども達の能力を活用して、「この時にはこうした方がいい・こう考えた方がいい」と教えることが、目の前のことに向うことの大切さ、自分のベストな言動、周囲との協調性などを養うことができると思います。

そのためにも私たち大人が忙しい時こそ、心の状態(心の向き)を理解し、ゆとりを持つことが重要に思います。
この状態であれば、適切な時に適切な指導(アドバイス)ができるからです。
忙しい状態で、子どもにアドバイスしても…心が子どもに向いているようで向いていないので、伝わることも伝わりませんから。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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