子供の口数>大人の口数

キッズのためのメンタルトレーニング - 第24回
掲載日:2009年10月20日

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私事ですが、10月末より熊本市内の某地域総合型スポーツクラブでヨーガ教室のトレーナーと某カルチャーセンターでは一般向けのメンタルトレーニングの講師を行う予定です。
ようやく社会的に心が生活習慣と行動習慣を作り、心身の健康や私生活(人生)に影響を与えることが理解されてきたのではないかと解釈しています。
私自身、普段の生活からより一層の学びと努力が必要であると決意するこの頃です。

さて先週の続きですが、現代の子供たちの「思考力」と「発言力」の低下に対する改善策についてお話したいと思います。

ストレートに言いますが、子供たちに「考えさせる時間(間)を与えていますか」ということです。

何故かと言えば、私たち大人は子供をあたかも1人の大人と考えている(接 している)かのように、スムーズに言葉のキャッチボールができないことを嫌い、反応や回答がないとすぐに大人から口を出してしまいます。
大人は子供に比べ人生経験が豊富ですから答えや判断基準が解るので、子供の反応や回答を待てません。

また何度もコラムで伝えていますが、大人である私達の経験や体験から「子供にだけは同じ思いをさせたくない」と与えすぎる傾向があるようです。
簡単に言えば、解らないなら、すぐに教える。できないなら、すぐに手を貸す。ということでしょうか。

子供に考えさせる時間を与えないとどうなるか…「言われるまで待つ」「何もしない・できない」「周りがしているからやる」「周りがしていないからしない」と自発的に考え行動する力がない人間になってしまいます。

そこで、保護者の皆様に確認して頂きたいのですが、あなた(大人)の口数と子供の口数は、どちらが多いでしょうか!?

よくなってほしい。しっかりと育てたいと思う気持ちは解りますが、私たち大人の口数が多ければ多いほど、子供たちは自分のこと(本心)を話さなくなり、考えることをしなくなります。

人は自らの体験や経験を通じて初めて自分の知識やスキルとなります。
また、成功や失敗を通じて気付きを得ます。
そして、その時に大人から言われたことが身に染みて解るのです。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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