大人への態度

キッズのためのメンタルトレーニング - 第16回
掲載日:2009年6月23日

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私が近年一番に感じていることを素直に言わせて頂くと「子どもの大人に対する態度の低下」です。

大人というより自分よりも(子どもたちよりも)年齢が上の人に対する接し方や関わり方が、時代が変化・成長すると同時に平行して悪くなっているようです。

なぜ今回、このようなことを皆様に伝えるかと言えば、「めざせ!ベストサポーター」P28~29「レフェリーの判定を尊重しましょう」に記載されているレフェリーとの関わり方です。

確かにレフェリーも人間ですから完璧なジャッジはありませんし、レフェリーをする人達のスキルアップも必要です。
現状から言えばレフェリー・プレーヤー・指導者・応援(保護者)それぞれがもっと学ばなければならないと思っています。
しかしサッカー選手としてではなく1人の人間として考えるならば、レフェリーのジャッジに対する反応や態度は決していいとは言えません。

私の幼少期、私達がレフェリーに文句や罵声を言うことがあれば、監督や保護者から「文句を言う前に、しっかりプレーしなさい!」「文句をいう暇があれば、次のプレーに集中しなさい!」など怒られたものです。
しかし、現在では子どもたちよりも大人である監督や保護者がレフェリーに対して「反則じゃないの?」「オフサイド!」など言う場面をよく見ます。

子どもは時代が変化しても、子どもそのものは変わらないと思います。
変わっているのは、子どもを取り巻く環境です。

私はメンタルトレーニングで「あなた自体は悪くない。悪いのは、悪い習慣(クセ)を身につけてしまったことと、あなたがいた(いる)環境です」とアドバイスします。
悪いと言うことは簡単ですが、悪いと言えば「私は悪い人間(駄目な人間)なんだ」と自分自身のことをマイナスに評価してしまい、積極的・前向きにチャレンジすることを拒むようになります。
心理的な話になってしまいましたが、子どもの大人に対する節し方や関わり方は、私たち大人が作っていると言っても過言ではないと思います。

また、思い通りにならないのも人生です。

私たちは生まれて今日まで、全て思い通りに人生や生活、人間関係を過ごしてきたでしょうか?
100%の人間が「NO」でしょう。
つまり、思い通りにならないのも人生だということをサッカーを通じて学ばせるべきです。

子どもは大人の真似をして成長します。
子どもの良い見本になれるように努力しましょう。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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