アナウンスの仕方

キッズのためのメンタルトレーニング - 第41回
掲載日:2010年6月22日

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あるチームのお話ですが、ここ数年、チームに結果が出始めています。選手たちは以前に増して明るく元気になり、不平不満を言う選手もなくなりました。一体、このチームに何があったのでしょうか?この文章だけ見れば「子ども達の変化」ですが・・・

答えはアナウンサーです。監督の言葉(言葉かけ)に変化がありました。
昔は強く、厳しく言うことが選手を鼓舞し、やる気を高め、積極的な姿勢へと導くものだと思っていたようですが、近年「語りかけ」や「なぞなぞ」のように選手に気付かせる言葉(言葉かけ)になっています。

時 として、強く厳しく指導することも必要ですが、この強さ(強化)は、効果を与えることもあれば、逆効果になることもあります。それは慣れとマンネリで す。言われることに慣れれば言う度に、効果は減少します。また、ミスや失敗に対して同じことを言われれば、過度に意識してしまいますし、誰だって嫌になり 面白くなくなります。

行動科学では、強化の方法として「普通の時に褒める」ことを紹介しています。
不思議で理解に苦しいかも知れませんが、集中力がない選手に対して、集中している時(一生懸命に取り組んでいる時)に「よく頑張っているな」「集中してい るね」と言葉をかけます。一般的に、集中していない時に強く厳しく「集中しなきゃ」などといいません。同じ集中に焦点を合わせていますが、アプローチは違 います。

このようにアナウンサーが変われば、聞く側も変わります。
テレビのニュースでもアナウンサーが変われば、受け止め方や捉え方が変わるのと同じです。

子どもが思うようにいかない時、アナウンサーたる私たちの言葉を変えてみてはいかかでしょうか。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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