社会は思い通りにならないことばかり

キッズのためのメンタルトレーニング - 第49回
掲載日:2010年10月12日

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私は週に一度、本屋に行きます。よく足を運ぶのは熊本市街にあるTSUTAYAです。
本屋に行く目的は3つ!
「教養を身につけるため」
「講義のツールや話のネタを得るため」
「社会の流れを知るため」です。
特に注意して見ていることは「社会の流れ」です。本棚に並ぶ雑誌や書物を見れば全てがわかります。私にとって本屋は貴重な情報源の1つです。

現代の幼児期から青年期の子ども達について数多くの出版会社が取り上げています。
内容は様々ですが、このコラムに関係するとすれば「我慢強さ」や「忍耐力」についてのテーマが多いように思います。

私たちは便利で快適な環境の中で生活しています。特に現代の子ども達は、生まれた時から恵まれた暮らしの中で過ごしています。恵まれた環境の恩恵を受けているのは子ども達だけではなく大人もですが。

では、この環境で「何が」起こっているか!?と言えば、自己コントロールができない人が増加しているという問題です。
子どもは幼い頃から環境の恩恵と親の愛情を受け「困る」ことなく過ごしています。
この2つを簡単に例えるなら、環境で言えば「衣食住に困らない環境」「欲求を即座に満たせる環境」です。
親の愛情で言えば「自分が経験した辛いことは避けさせたい」「ミス(失敗)をさせたくない」などでしょうか。

困る経験をしない子どもは、「思い通りになる経験」を積んでいきます。

しかし、現実はどうでしょうか。
思い通りになることの方が少ないと思いませんか?
「困ること」「矛盾を感じること」の方が多いと思います。

結果、自分に困ることが起こると…向き合うのではなく「落ち込む」か「キレる」という反応です。
ニュースを見ても精神的な問題・犯罪・殺人ばかりではないでしょうか。
自己コントロールできる力を身につけていれば、防ぐことのできる問題ばかりです。

困る経験や矛盾を経験させたくない気持ちも十分に理解しますが、本当に子どものことを思うならば、時には「困ること」や「矛盾」を感じさせること、そして、これらの問題に向き合うことを経験させてみては如何でしょうか。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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