多面的な見方

キッズのためのメンタルトレーニング - 第86回
掲載日:2012年4月10日

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桜満開ですね。
先日の夜、下通りで打合せの前にお城好きな私は熊本城をぐるりと歩いて一周。ライトアップされている宇土櫓は絶景です。歩いていると夜桜を楽しまれる方ば かり。サッカー(スポーツ)に関わるようになり、花見には無縁の私。サラリーマンの時は昼間から会社の仲間で花見を楽しんでいました。懐かしく羨ましく感 じましたが、私にとって子ども達と触れ、サッカーに触れることが一番の喜びなので、毎日が桜満開の気分ですね。
贅沢な悩みだと感じた今日この頃です。

一方的な見方、一面的な見方が子どもに与える影響について説明したいと思います。
例えば、熊本の県民性として「出る杭は打たれる」というマイナスな考え方があります。よく聞く「肥後の引き倒し」ですね。余談ですが、ロアッソ熊本が発足 した目的の1つに、熊本県人のマイナスな考え方(県民性)を変えることがあります。活躍している人、頑張っている人、地位や名声がある人を妬み、羨み、引 きずりだすような考えですが、一方の見方、多面的な見方では「偉くなった人は、今までの人との付き合い方(接し方)が変わった」とも考えられます。
こう考えると引き倒される人にも問題があると思いませんか?

子どもに対する見方も同じです。
誰しも何でもできる人の方が少ない中(できること・できないこともある)、一定の判断基準だけで指導・評価するのではなく、柔軟な見方で子どもを指導し評 価し…認めてあげることは、達成感による喜びや周囲からの評価から生まれる自信や自尊心、また、不得意なことやできないことから生じる劣等感などを抱き始 める子どもにとって大切なことだと思います。
一定の見方だけでは「劣等感のかたまり」になります。柔軟な見方で自分を認めてもらえれば「自分は存在する価値がある」と感じるようになります。
サッカーに置き換えるなら、シュート・パス・ドリブル・ヘディング・スピード・パワーを全て兼ね備えている選手はプロでもいません。ドリブルができないか ら「ダメ」ではなく、ドリブルはイマイチだけど足が速いね!と多面的な見方で子どもを指導・評価して下さい。

一面的な見方ばかりされると…子供が、その見方に捉われ、潜在的な能力や個性を発揮する積極性が失われます。
これはスポーツに限った話しではなく生活から取り入れてほしい考え方です。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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