記憶

キッズのためのメンタルトレーニング - 第135回
掲載日:2014年3月6日

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2011年3月11日午後2時46分…この日時を見て(聞いて)、何のことか分からない人はいないと思います。

最大震度7の強い揺れと国内観測史上最大の津波となった東日本大震災。
三陸沖で発生したマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震により引き起こされた大災害です。
あの日から3年を迎えようとしていますが、3年前に抱いた(考えさせられた)気持ちは、鮮明に残っているでしょうか!?

過去に経験したことを、必要に応じて思い出せるように保持することを「記憶」といいます。しかし記憶とは、経験したことを全て保持し、自由に思い出すことはできません。
東日本大震災の日・被害などは、思い出すことができると思いますが、その時に感じた気持ちを瞬時に思い出す(感じる)ことはできるでしょうか?

記憶とは「感覚貯蔵」「短期記憶」「長期記憶」の3つに分けて考えられます。
また、3つの過程を経て人は記憶していきます。

感覚貯蔵。
注意を向けられた情報だけが記憶され、注意が向けられなかった情報は瞬時に忘れてしまう。

短期記憶。
記憶を一時的に保持する記憶。覚えた直後は思い出すが、必要がなくなると忘れてしまう。

長期記憶。
いつもでたっても必ず思い出すことのできる永続的な記憶。記憶するとは、長期記憶のこと。
短期記憶を記憶するためには、何度も目や耳・体を通じて記憶を反復する(リハーサル効果)などして長期記憶となる。

東 日本大震災の日・被害などは、注意を向け何度も目にして聞いているので忘れることはないでしょうが、その時に抱いた気持ちは…繰り返している人と繰り返し ていない人では違ってきます。大事なこと、忘れてはいけないことは、してはいけないことは、目や耳や体を使って反復し続ける以外に記憶にはなりません。子 どもに覚えさせる(記憶)ことに、この3つの過程は活用できると思いますよ。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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