振り返り

キッズのためのメンタルトレーニング - 第79回
掲載日:2011年12月27日

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皆さん、早いもので2011年もラストのコラムとなりました。
毎年思うことですが、「1年は早いね!」「今年はどんな1年だった?」「来年はどんな1年にしたい?」…よく聞く言葉ではないでしょうか?また、自問自答しませんか?

年末になると誰もが1年を振り返り、来年のことを考えるようですね。
人間「区切り」があると、無意識に過去を振り返り未来をイメージしてしまうのでしょうか。

「区切り」とは1年だけでしょうか?1ヶ月だけでしょうか?私は1日1日が区切りだと思います。
1日を振り返り、明日のことを考える。この毎日繰り返し(積み重ね)こそ、私たちに大切なことだと思います。
私たちは毎日、多かれ少なかれ成功と失敗を体験しています。この経験が心理面だけでなく人間関係、社会生活に非常に役立ちます。成功体験は自信を、失敗体験は課題を作り出します。また双方の体験から知恵(知識)を獲得します。
知恵は自分だけの参考書となる素晴らしいものです。
正しい知恵は正しい方向に自分自身を導いてくれますよ。
(読書でも知恵を取り入れることもできます)

活躍する選手、成果を上げる選手の大半は、毎日「日誌」を書いています。
これこそ、1日を区切っています。自分に役立つと感じるからこそ実践し続けていると思います。

今年最後のコラムですので、私からキッズ年代に関わる指導者、保護者、関係者に心理学の観点から、真剣に考えてほしいことを2つ説明します。

青年心理学では現代の親子関係を「パラサイトシングル」(親に依存する、寄生する)・「一卵性親子」(兄弟、友達のような親子)と表現しています。これ は、親子の依存の長期化と言われ、親離れ・子離れができない、いつまでも自立できない親と子という意味です。
また、親の養育態度と青年の発達の関係では「権威ある親」が、子どもの有能感・自律性(セルフコントロール)・向社会性を育てることができると言われてい ます。権威ある親とは、理由付け(説明)をしっかりしてあげる親のことです。逆に体罰・愛情撤去・甘やかす・無関心は、子どもの心理面の発達に悪影響を与 えます。

2012年は、説明した現代の親子関係について意識して頂きたいと思います。
私もキッズから高校生までを指導する立場にいるので、意識して取り組んでいきたいと思います。
1年間、ご愛読頂きありがとう御座いました。来年も宜しくお願いします。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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