選択権を子ども達に1

キッズのためのメンタルトレーニング - 第144回
掲載日:2014年7月11日

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決勝はドイツvsアルゼンチンとなりましたね!
驚いたことは準決勝ドイツvsブラジルのスコアでした。ドイツの7得点、ブラジルの7失点…この得点・失点、皆さんはどちらに興味を持ちますか!?
私はドイツの7得点に興味を持ちました。ゴールシーンを見ると、まるでスペイン代表のようなゴール前の崩し!
今までのドイツ代表では見られないバイタルエリアでのパス・スペース・ランニングに驚きましたが、よく考えるとバルセロナからバイエルンの監督になったグラウディオラがドイツサッカーに大きく影響しているような。そう考えたのは私だけでしょうか!?
私はドイツの7得点からグラウディオラという人物に興味を持ち早速、検索して色々と調べていますよ。
監督によってチームや選手が変化・成長するなら、子ども達を指導する私たちがよりよい指導者を目指すことは当然ですよね。

だからって全ての指導者に勉強しよう!と強制はできませんし、全ての指導者が勉強するとは思いません。
なぜなら、人は「自らが変化しよう、変化したいと思わない限り変化しないから」という事実です。
子どもが勉強をしないのは、子どもが勉強しなきゃいけない、勉強したいと思っていないからです。

サッカーでも同じことが言えますね。
しっかり練習しなさい!と強制されても、本人が集中して練習しなきゃと考えない限り(サッカーが好きだから・ボールを蹴りたいから・上手くなりたいから)、いつまでたっても自主的(受動的)に練習には取り組みません。
この強制という行為は指導者や大人の思いとは別に「やらされている」という気持ちになってしまいます。
強制がダメな事とは言いませんが、幼児期(キッズ年代)の子ども達には強制と○○のバランスが非常に大事だと思います。

○○とは何でしょうか!?
それはプロジェクトアドベンチャーの理論の1つ「チャレンジ・バイ・チョイス」という考え方です。
言葉の通りチャレンジを選ぶことができるという意味です。
先程のサッカーで例えると、今日は昨日よりも少し頑張る、指導者の話は一所懸命に聞くなど、練習への参加度合いいを子ども達に考え選んでもらいます。
自分の練習への参加度合いを自分自身で選ぶことができるので、自らがやっているという気持ちとなるので、子ども達は前向きに取り組みやすくなり、指導者も強制的な指示ではなくなります(子どもが決めたチャレンジを確認するだけで十分)。

教えることは、言い続けること・言動を強制することだけでなく、判断・決断させることも教えることだと思いませんか?


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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