悟り世代

キッズのためのメンタルトレーニング - 第140回
掲載日:2014年5月13日

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前回のコラムでゲーム機による子どもの身体に与える影響についてコメントさせて頂きましたが…皆様は「スマホ子守り」という言葉を知っています か!?最近、再熱した言葉ですね。子どもにスマートフォンを持たせていれば…お利口さん!という訳で、スマートフォンに子守り・子育てを任せている社会現 象です。
日本小児科医会は、乳幼児の心身の発達への影響が心配されると啓発活動を実施し始めたので、スマホ子守りは社会問題(教育問題)の1つとなっています。やはりスマートフォンやゲーム機との過剰な関わりは、子どもの心身に悪影響を与えるんですね。
※詳しくは「スマホ子守り」を検索して見て下さい。

さて、今回は私からの啓発です!
先週、赤い悪魔ことJリーグで強豪の1つである浦和レッズの元コーチとお話をする機会がありました。そこで聞いた言葉は「さとり世代」です。
「さとり世代」については、このように説明されています。
特徴としては「欲が無い」「恋愛に興味が無い」「旅行に行かない」などといった事柄。休日は自宅で過ごしていることが多く「無駄遣いをしない」「気の合わない人とは付き合わない」傾向が高い。
さとり世代は物心ついたころには既にバブルが崩壊しており不況しか知らないし、インターネットを利用して育ってきていることから現実もよく知っており、無駄な努力や衝突は避け、大きな夢や高望みも無く、合理的な行動を心がけている。

こ こ2年…子ども達から「熱」を感じなくなったと思っていましたが、この言葉を聞いて、私の活動や体験を通じた気付きから納得させられました。特に「無駄な 努力や衝突は避け、大きな夢や高望みも無く、合理的な行動を心がけている」という説明通りの反応や態度が多く見られます。
私は幼児〜高校生の指導に携わっていますが、顕著に見られる年代は中学生です。
今から、これから中学生を迎える子どもたちは、どうなるのでしょうか!?「サッカーが大好き」「サッカーが上手くなりたい」「誰にも負けたくない」と言い ながら、言葉と行動、思考と姿勢が伴いません。自分で物事を解釈し、制限をつけてしまい、失敗が起こる可能性が高いと判断すると行動しません。
サッカー以前の問題が多くなりましたし、サッカーのスキルやスポーツに必要な体力の前に、本来、私たち人間が身につけなければならない人間力(生きる力)を指導・教育することが先だと思います。

浦和レッズの元コーチは言っていました。「プロになる人間は、負けず嫌いで我慢強い人間しかなれないし、生き残れない」と。
目に見えるものだけの指導ではなく、目に見えない指導も大切だと思います。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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