振り返る

キッズのためのメンタルトレーニング - 第54回
掲載日:2010年12月21日

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2010年も最後のコラムとなりました。
毎年のことですが、この時期になると自然に(無意識に)「1年」を振り返ってしまいますね。人は大きく分けて「過去と未来」、2つを基準にしながら生活し ているように思います。過去から学び、未来に向って歩んでいる。残り10日ですが、2010年を振り返り2011年を皆様にとって素晴らしい1年になるよ う自分を見つめる時間にして頂けることを期待しております。

メンタルトレーニングで最初に行うことは「目標設定」です。また目標設定で最初に行うのが「自己分析」です。つまり、心を鍛えるためには「己を知る」ことからです。

例 えば、旅行で目的地を目指している時、道に迷ったとします。あなたは地図を広げ「目的地」を見ますか?それとも「現在地」を見ますか?多くの方は「今、 どこにいるのか」と真っ先に「現在地」を見ると思います。現在地がわかれば目的地までの順路が明確にわかる訳です。(現在では文明の力のお陰でカーナビが ありますが)

己を知る作業も同じことです。
できないこと(しないこと)を他人や環境・状況のせいにする前に「己を知る」(己を知らせる)ことが大事なことです。問題解決の糸口を簡単に見つけ出すことができる方法です。

次に大きな変化を求めないことです。
段階を追う。現在地より少し高い目標を設定すること。(専門的にはスモールステップといいます)皆さんも必ず一度は経験していると思いますが、今までの習 慣(クセ)を明日から変える(なくす)ことは不可能だと思いませんか?即効性を期待すると、焦り・不安・怒り・諦め・情けなどのマイナスな感情を生むだけ です。またマイナス感情から自己や他人などを否定的に評価してしまいます。その結果…変わること(変えること)をやめてしまうだけです。

小さな目標は達成(変化)を容易にします。
小さな変化を繰り返していると、人は「達成感→有能感→自信」を育てます。そうなれば後は大きな目標に向かって自発的に行動し続けるはずです。

今日の話は子育てだけでなく、私たち大人にも効果的です。
子どもができない理由を「子どもの責任」や「子どもの能力」にしていませんか?子どもに「大きな変化」を求めていませんか?その前に「己を知る」ことが大事だと思います。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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