日本と海外の育成の違い

キッズのためのメンタルトレーニング - 第37回
掲載日:2010年4月20日

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2週間に1回のペースでコラムを書いていますが、「時が経つのは早いなぁ~」と原稿の提出期限近くになると思います。
数回分をまとめて作成し提出すればと言われますが、私の性分か・・・この2週間で感じたことを素直に言葉にしたい気持ちが強く、食材に例えていうなら「新鮮さが一番」ということでしょうか(笑)

さて、私は4月初旬より科目等履修生として某大学に通い始めました。
週に5コマ(5教科)ですが、学生の中に混じり勉強しております。まさか34歳にして大学に行くとは思っていませんでしたが、教える立場として「子どもだ けにチャレンジさせ、努力を促すのではなく、指導者もチャレンジし、学び続け成長し続けなければならない」と思っています。また、その姿を見せていかない といけないのではと考えています。
口で示すのではなく、行動で示すことは「百聞は一見にしかず」と言われるように、私たちにインパクトを与えるものです。
お父さん、お母さん、そして指導者の皆様、子どもを口だけで教育するのではなく、皆様の行動から示してみてはいかかでしょうか。

最近、「育成」という言葉が気になります。これはスペインに行ってから、日本の育成システムに疑問を感じるようになったからです。
私の友人にバスケットの本場アメリカに行き、指導や育成を学んだ男がいますが、どうも日本と海外では「育成」に大きな違いがあるようです。
スペインのキッズ年代では、勝敗ではなく「全選手同じ出場回数」と「全ポジションをプレーする」ことが指導方針であり、アメリカのバスケットもキッズ年代から勝敗ではなく「技術の習得」を徹底的に行うそうです。
では、日本はと言えば・・・キッズ年代から勝敗ばかりを考え、勝利が第一優先に考えてしまいます。
指導者は指導者講習等が盛んに行われるようになり「育成」(育てる)ことに注意しながら日々指導していますが、試合となるとそうは行きません。
これにはクラブの存続・選手確保・保護者のニーズ等が関係していると思います。

勝つことが悪いといっている訳でなく、育成年代では「勝敗」よりも「基礎・基本の正しい習得」が本来の育てることではないでしょうか。
メンタルになおすなら「結果」よりも「人として大事なことの習慣化」です。
正しい基礎を身に付けずに青年期になると、一番に困ってしまうのは子どもです。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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