大人の評価が子どもに影響する

キッズのためのメンタルトレーニング - 第40回
掲載日:2010年6月8日

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先週の日曜に、熊本県南部にあるクラブチームでメンタルトレーニングを行いました。
このチームは月に1度、所属する選手と保護者を対象に約90分、メンタルトレーニングを行いますが、参加者は小学生から中学生、そして保護者と年代は様々です。
もちろんクラブの関係者である監督やコーチも参加していますので、同じ「考え方」を選手・保護者・スタッフすべてが共有できるという点では素晴らしいことだと思います。

海 外のクラブチームでは、クラブの方針を第一優先にして考える(考えさせる)というシステムを採用しています。これは、「子どもを迷わせないため」「子ど も自身に判断力をつけさせるため」です。これは、コーチと親が違うことを言えば、子どもはどちらを採用していいのかと混乱することを防ぐためです。
また判断力については、人はそれぞれに違う価値観を持っているので、コーチや親とそれぞれに違う価値観で判断する(させる)のではなく、クラブチームが定めた価値観を基準にして、子ども自身に選択と決断、すなわち判断を行わせています。
(※価値観とは「物事を評価する際に基準とする、何にどういう価値を認めるかという判断」という意味です)

キッズ年代では、子どもに対する大人や親の影響は大きいという研究結果がいくつもあります。
例えば・・・「子どもは、身体的能力について親の評価を受け入れ、自分自身の将来の達成について、親と同じような期待を持つ傾向がある」これは、子どもの 身体的能力に対する親の判断と子ども自身の評価との間には有意な関係性があるということです。

私たち大人の「考え方」1つで、子どもは自分自身について評価します。であるならば、可能な限り、子どもに対して「ポジティブな期待」をもとに子ども達に接することが大切です。
大人が「あなたは落ち着きがない」と言えば、子どもは自分のことを「落ち着きがない人間である」と思います。また「足が遅い」と言えば、「足が遅いから走るのは苦手だ」と自分を評価してしまいます。

親の期待と価値が、子ども自身の有能感(才能があると思うこと)や達成に関する信念に関係します。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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