自由とルール

キッズのためのメンタルトレーニング - 第136回
掲載日:2014年3月18日

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今月始めJ1の浦和レッズとサガン鳥栖の試合で「JAPANESE ONLY」と書かれた横断幕が掲げられる騒動があり、この横断幕掲出が差別行為とされ23日の試合を無観客試合で行うという重い処分となりました。皆さんは、この問題をどのように考えておられますか?

私は、今回の横断幕だけでなく、スポーツに関わる人たちを見渡して「自由」という意味を浅はかに考える人(大人・子ども)が増えているように思えてなりません。
自由とは「自分の意のままに振る舞うことができること」や「勝手気ままなこと。わがまま」という意味があります。
自分の意のままに好き勝手でわがままに何でもしていい(言動)のでしょうか?

先日、あるテレビ番組で中尾彬さんが言われた「1つ便利になれば、大切なものが1つ失われる」というコメントに共感しました。
「時代と共に人の価値観は変化するものである」とは思います。
しかし、人と人とが接し、関わり合う社会の中で生きなければならない私たちは、道徳・ルールまでも軽視し無視してもよいものでしょうか?

例えば挨拶。「おはよう御座います」と家族・学校・職場で言っていますか?言われていますか?
熊本県内の某中学校で挨拶の調査をしたそうですが、全校生徒の40%の生徒(中学生)が家庭で「おはよう御座います」「おやすみなさい」と当然のように思える挨拶を自分の親にしないそうです。
なぜ挨拶をしないのか…させないのか。これも自由でしょうか?我が家で済まされている出来事や状況が社会でも通用するのでしょうか?

昔教えられていた挨拶・礼儀・掃除などは死語になってしまうのではないかと思います。
子どもは大人の背中を見て育ちます。子どもは教えないと知らないもので、教えないとできないものです。
見せ方や教え方の手段・方法は様々ですが、人として当然のことや自由では許されないことをしっかりと我が子や指導している子どもに示してほしいと思います。
「サッカーは人間性がストレートにあらわれる」…私の恩師の言葉で私の好きな言葉です。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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