成功の陰に大事なことが

キッズのためのメンタルトレーニング - 第147回
掲載日:2014年9月16日

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「錦織圭」…この名前を知らない日本人はいないと思います。
全米オープンで世界ランキング1位のジョコビッチ選手を準決勝で破り、日本人初(アジア初)となる決勝に進出したことは記憶に新しいと思います。
この偉業から、日本のテニス人口は増え、現在テニスをしている選手たちの競技力が向上することは間違いないことではないでしょう。

私は「成功した人物のルーツ」に興味・関心があるので、早速インターネットで簡単ですが錦織圭選手について調べました。
89年12月29日に島根県松江市で生まれ、5歳でテニスを始めています。テニスとの出会いは両親(特に母親)の影響が大きいようです。しかし、両親の教 育は「好きなことをやらせる」というもので、幼少期はテニスだけでなく、野球・サッカー・水泳・ピアノなどをしていたようです。その中でテニスに興味を もったとのこと。
また、小1から中1まで錦織を指導していた柏井正樹さんは、テニスが「好きで、負けず嫌い」で自分が必要だと感じたトレーニングはやったと当時を振り返 り、ゲームセンスとボールコントロール能力はそれぞれ100人に1人の逸材で「単純計算で1万人に一人くらいの才能なのかもしれない」と述べています。
そして中学生でアメリカへのテニス留学…。

ここまで見れば、生まれ持った身体能力を持ち、センスのあるエリートかもしれませんが、私は指導する立場から考えると、いくつかのPointがあると思います。

  1. 親がテニスサークルでプレーしていた。レクレーションスポーツの関わり
  2. 幼児期に様々なスポーツをする。コーディネーションの強化
  3. テニスを好きで、負けず嫌い。
  4. 厳しい環境を選ぶ、親元を離れる。

生まれ持った身体能力やセンス、また高い技術を持っていても、それを発揮する「心」がなければ、宝の持ち腐れとなります。
その持ち腐れを打破できたのは、親の関わり方ではないでしょうか。
特に幼児期に好きなことをさせながら、監督やコーチにならずサポーターとして関わることは大事なことだと思います。
なぜなら「テニスが好きで負けず嫌い」の性格を維持できたのも、親からの強制がなかったと考えらます。
そして一番の関心は「可愛い子には旅をさせろ」です。
逞しい子どもの共通点は時代が変わっても原理原則があるように思いますね。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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