子どもたちの心理状態

キッズのためのメンタルトレーニング - 第15回
掲載日:2009年6月9日

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前回は、世界のクラブチームの実例をあげて「クラブと保護者とのかかわり方」について紹介しました。

世界のクラブチームの対応は「子どもの成長」を中心としてクラブと保護者が共存しているようです!私たちも子ども達の成長を加速させることに繋がる取り組みであれば積極的に導入しなければと真剣に考えています。

というのも先日、熊本県キッズサッカー協議会の平成21年度通常総会が行われ、総会の最後に「現場で見られる子どもたちの心理状態と課題」というテーマで講義をさせて頂きました。

これは私が選手やチームへメンタルトレーニングを行う際、最初に行う心理テスト(DIPCA)の結果を集計し分析したものを発表させて頂いたものです。
DIPCAとは、スポーツ選手に必要とされる心理的スキル(能力)を診断するもので12の特性が、数値化され、あらわれるので選手たちの自己分析とMTの組み立てには最適なツールです。

DIPCAの集計結果から競技やチーム、実力が異なる中でも共通して数値が低い心理的スキルがありました。
それは競技意欲(自己実現意欲・勝利意欲)・自己コントロール能力・集中力の4つの特性です。

この集計結果から見て、現在の子どもたちの心理的課題だと言えます。
この心理的課題は様々な要因から生じたものと考えられますが、子どもの成長に一番影響を与えるのは親であり大人です。
厳しい言い方かも知れませんが私たち大人が、今の現状を作ったと言っても過言ではありません。

意欲とは「やる気」です。
自己実現意欲とは「向上心」です。
勝利意欲とは「負けず嫌い精神」です。
自己コントロールとは「感情コントロール」です。
集中力とは「目の前のことに頑張る力」です。

皆様の子ども達はどうでしょうか?以上のことはできていますか?これは私たち人間が備えていなければならないもので生きていくために必要な資質だと思いますし、サッカーをする以前の問題と思います。
これから私の活動から気付いたことをベースに、この4つの心理的課題の対策を数回に分けて紹介させて頂きます。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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