社会的スキルの効果と技法

キッズのためのメンタルトレーニング - 第83回
掲載日:2012年2月28日

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熊本で初のマラソン大会「熊本城マラソン」も大成功のようでした。お城好きな私にとって素敵なネーミングでしたから(笑)。今回のマラソンに私の仲 間たち も参加しましたが、同じ42.195キロでも参加の目的はそれぞれ。ある人は「フルマラソンを3時間台で走る」、ある人は「彼女と一緒に完走する」などな ど。生きている環境や時代は一緒でも生きる目的が違う、私たちの「人生」と同じようなものだと感じました。どの生き方が正しいかは、その人が満足で幸せな らOKではないでしょうか。マラソンを完走して満足している姿や言葉を聞くとそう思いました。来年は私も走ろうかな。

生き方はそれぞれでも、「守ってほしいこと」があります。それは人との調和。社会性、道徳、モラルです。
自分1人の人生や生活なら不必要なことかもしれませんが、生きている以上、人との関わりは絶対不可欠。ならば調和は大切なことですよね。
今まで多くの子ども達から大人の方の心理的な相談にのってきましたが、社会的スキルは子どもの頃、特に幼児期~青年期までに養われる(身に付く)と思いま す。正直、大人になってから社会的スキルを習得するのは困難。特に本人が他人に迷惑や不愉快な気持ちを与えていることを自覚してなかたり、変わりたいと 思っていない人は…そこで今回はキッズの子ども達を持つ保護者の皆様に社会的スキルの効果と技法を紹介します。

真面目なコラムで堅苦しいかと思いますが、とても大事なスキルと思いますので御参考にして下さい。

社 会的スキルは、人間関係の円滑な形式や維持に必要不可欠と言われています。また、人間関係だけでなく自分自身の感情コントロールを身に付けることもでき ます。社会的スキルは一石二鳥ですよ。具体的には、問題行動の予防と解決のために使われています。では、どのような技法で社会的スキルを身につけるの か!?

身に付ける方法は基本的に「教示・モデリング・リハーサル・般化」の4つです。
教示とは漢字のまま「知識や方法などを教え示す」こと。あたり前かと思うかもしれませんが、「本当にできていますか」と質問されたら自信を持って「はい」と言えますか?
次にモデリングです。モデリングとは「何かしらの対象物を見本(モデル)に、そのものの動作や行動を見て、同じような動作や行動をする」こと。つまり、大 人や保護者、指導者が子どもの対象物となることです。簡単に言うと、してほしい動作や行動を私たちが行えばいいのです。
リハーサルは一般的に「実際の進行などを最終的にチェックする」ことですが、心理学ではプラスアルファで「記憶させたいことを何度も唱える」ことです。
最後の般化は「一定の条件反射が形成されると、最初の条件刺激と類似の刺激によっても同じ反応が生じる現象」のこと。子どもが朝起きて「おはようございま す」というまでに、何度も刺激=教えたと思います。朝起きて・はじめて人と会う。これが挨拶をすることが一定の条件となります。
以上が方法です。どうですか堅苦しいでしょう(笑)

この4つを使い分けるか、バランスよく使うことをオススメします。
大人になって社会性を身に付けることが難しいことだけは忘れないで下さいね。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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