考えの伝え方

キッズのためのメンタルトレーニング - 第64回
掲載日:2011年5月31日

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先日、キッズサッカー協議会の定期総会で「育成に必要な意欲について」、30分程度のメンタルクリニックを行いました。内容は前回のコラム「自発的欲求」を具体的に説明させて頂きました。
参加されていた指導者や保護者の皆様が真剣に耳を傾け、ノートにメモをとられている姿を見て、指導現場や私生活で「意欲」は重要なテーマとお考えになられ ていると思いました。また、講習会終了後「使用したパワーポイントを頂きたい」という指導者が!嬉しいお言葉。現場で活用してくれることが私の喜びですか ら。

今日は意見を通りやすいシチュエーションについて説明します。

指導者や保護者の方は、こちら側の意見や考えを子ども達に理解させたい、理解してほしいと思っています。私も常日頃から思っています。
理解ですが、第一に「意見の伝え方」に問題があります。「伝える」とは「人に云う」と書きますが、一方的に言う(述べる)のではなく、相手に言わせる(述べさせる)ことが伝えることの第一段階です。
実際の指導現場では、指導者が一方的に指示したり意見を述べている光景をよく目にします。特に熊本では「人間関係は縦社会」という常識があるので(県民性 や地域性)トップダウンが効果的と考えています。しかし、理解度・認識度を考えれば、聞くことに一生懸命で肝心の内容を理解しているのでしょうか。私はい つも疑問に思います。
理解させるためにも「聞いて下さい」「投げかけて下さい」「質問で投げ返して下さい」。そして、こちら側の意見や考えを伝えて下さい。

次に「伝える時の位置」です。
心理学では正面同士は「敵対しやすい」。隣同士では「同調しやすい」といわれています。
大事な事を伝えたいと思う時は、子どもの横で話をしてみて下さい。

また、ランチョン・テクニックと呼ばれる「食事中は相手の話を信じやすくなる」という効果です。
人は何かを食べている時は、簡単に説得されやすく騙されやすい状態になるといいます。
子どもと食事をしながら伝えたいことを話してみてください。

この3つのシチュエーションを考えると、夕食は家族で食べることが大事と思いませんか?
テーブルを囲みながら一日の出来事を会話し合う。昔は家庭で見られる風景の1つでしたね。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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