人を理解する方法

キッズのためのメンタルトレーニング - 第70回
掲載日:2011年8月23日

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なでしこジャパンの快挙に続き、高校野球では青森県代表の光星学院が準優勝という結果を残しました。
決勝進出が42年ぶりですから、決勝のスコアは別として準優勝も素晴らしいものです。
被災地の思いを胸に戦った光星学院。
なでしこを含め「人間の思い」というものは科学では証明できない力があるのではないかと感じるものです。

思えば、熊本県の某高校野球部の沖縄遠征に帯同し、沖縄への移動日に震災が起きました。
沖縄に到着すると私達と入れ替わりで沖縄遠征を終え、沖縄を出発したものの震災の影響で沖縄に戻ってきたチームが光星学院でした。
急な出来事に宿泊先がなく、急遽私達と同じ宿。宿と言っても学校のセミナーハウスでしたので、一緒に過ごしたのも同然の状況でした。翌日、サッカーコート の3分の1のスペースでトレーニングを行う光星学院の選手達。20~30名でしたが、狭いスペースにも関わらず効果的で実践的なトレーニングを行う姿に驚 きました。雪国ならではのトレーニング方法に感動と興奮でした。

できない理由を並べるのは簡単です。
しかし、今回の光星学院の結果から「やる前から”できないこと”を考える」のはナンセンスだと勉強になりました。
不平不満を言うのではなく、現状から目を背けず、しっかり凝視して”できること”を考えること。
そして何があっても信じて行動し続けることが大事だと教えてくれました。

心の働きは「行動」に表れるといわれています。
心理学では「行動は心の鏡」といわれ、言葉・表情・動作・しぐさ・服装・くせ・夢・字や絵を描くなどから人間の心を理解(知る)できます。
自分自身や周囲の人を「行動は心の鏡」という考えから評価してみて下さい。大方、見た目の通りの心の働きだと思います。
また、人間(心)を理解する方法(方法論)の基礎として「見る(観る)・聞く(聴く)・読む」の3つがあります。
人間は見えるようにしか見えない、聞こうと思うものしか聞こえない、都合の良いように読むとされ、見方・聞き方・読み方から人を理解できるといわれています。
紹介した2つの理論は教育の現場で使われています。心理学では主に教育心理学で教わる内容です。
人を理解することに効果的ですし、人の心の状態や性格を知ることができます。

私は、この理論をメンタルトレーニングに取り入れています。
「心=行動」の原理原則ということですから、行動から心へアプローチします。
例えば、求める人物像の言動を取り組ませることから、求める人物に変える手法です。
また、行動から人の変化や成長を計ったりします。

言っても分からないとお悩みの方、行動からのアプローチを活用してみて下さい。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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