競争を経験させる

キッズのためのメンタルトレーニング - 第112回
掲載日:2013年4月18日

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新年度、新学期となりましたが、子ども達に変化はありますか?
私はロアッソ熊本サッカースクールの指導(担当でもあります)もしておりますが、お世辞抜きに成長していると感じます。
保護者の皆様は毎日、我が子を接しているので、子どもの変化に気付きにくいかと思いますが、週1回~2回の割合で会う私は、「大人になったなぁ~」と思う毎日です。
新年を迎える、誕生日を迎えるより新年度や新学期を迎えるほうが、成長を感じるのは私だけでしょうか。
特に感じる学年は小学1年~3年生です。

ジュニアスポーツの心理学(大修館書店)の中に「本来、競争は社会的比較である」と説明しています。
これは自分の能力や実力は、他人の成績と比較して自分の成績を評価しなければならないからであるというものです。
確かに、自分を知る簡単な方法は他人との比較ですよね。

では、何歳から社会的比較を行うと思いますか?答えは、私が成長を感じる6歳~7際の時期です。
子ども達は、この年齢から社会的比較情報を利用できる、または探し求めると言われています。
逆にそれまでは、競争の原理は働かないということです。

私は、理想と競争のバランスと切り替えが重要だと思っています。
キッズ年代でいうと就学前後が切り替えの基準だと考えています。
就学前までは「理想」(できる?したい?など)を促します。
就学後は理想と平行しながら「競争」(勝ちたい?など)を促します。
保護者の皆様も園児と小学生の頃を比べると、やる気の理由(原因)が変化していることに気付かれるでしょう。

近年、競争や結果に順列をつけることがタブーとされていますが、私は社会で生き抜くためにも競争を体験する(学習する)ことは大切なことだと思います。
社会的比較こそ、子ども達が本来身につけなければならない「負けず嫌い」「有能感」があると思います。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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