見守る勇気

キッズのためのメンタルトレーニング - 第5回
掲載日:2009年1月13日

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新年、明けましておめでとうございます。今年も皆様の子育てや息子様・娘様のサッカー(プレー)に役立つ情報を惜しみなくお伝えしたいと思いますので、宜しくお願いします。

新年早々、一つ皆様にお願いしたいことがあります。
社会やメディアはマイナスな問題や情報が非常に多く、特にニュースを見ると事件、社会、経済の問題を取り上げているので暗い話ばかりですが、子ども様のために皆様の御家庭からプラスなお話、環境を作って頂きたいと思います。
歴史的に見ても何かに秀でている人の家庭(両親)はプラス思考・楽観的です。そして前向きに頑張る家庭です。
時代に社会に左右されず、まずは家庭というチームからよりよい雰囲気を作って頂けたらと思います。

メンタルトレーニングでは定期的に心理テストを実施していますが、中高生を分析すると「忍耐力」「集中力」「自己(感情)コントロール」が年々低くなっています。
特に「先生、忍耐力って何ですか?」と忍耐力の意味さえ解らない子どもたち非常が多いのが現実です。
性格は遺伝子と環境で作られます。遺伝子は変えることができませんが、環境は変えることはできます。
私のお願いも子ども達の環境を変える一つです。

そして3つの心理的な問題を改善する一つが今回のテーマである「見守る勇気」です。

ブラジルでは「木に水を与えすぎるな」という言葉があります。
皆様も植物(観葉植物)を育てられていると思いますが、水を与えすぎると根腐れを起こすだけでなく、根を張らなくなります。植物は水分がないと自分の力で水分を求め、根を張り続けます。根を張ることで強く逞しくなります。
人間も同じように強く逞しいハートにしようと思えば、容易に手をかける、色々と手助けすることを極力避けましょう。子どもは子どもで不自由さを感じれば自 分で何とかしようと考えるはずです。考えても行動しても解決しない時(打開できない時)に初めて手を差し伸べることをお勧めします。そうすることで「考え る力」そして「忍耐力」が身につくと思います。

このことは中高生の指導者の方々にもお話をしていることですし、私にも言えることです。
できないから、しないから即、別行動や即評価するのではなく、まず大人である私たちが「見守る(忍耐)」が必要かと思います。子どもは親の鏡!まずは私たち大人が忍耐強く生きていきましょう!


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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