キッズのためのメンタルトレーニング - 第61回
掲載日:2011年4月12日
先週の31日から4月4日まで、ロアッソ熊本U-14を引率して関西・中国遠征に行きました。本格的なロアッソ熊本での活動となる遠征です。対戦相手はガンバ大阪・京都パープルサンガ・ヴィッセル神戸(伊丹)・サンフレッチェ広島・Jマルカ(京都のクラブ)。
各クラブのスタッフの中には大学の後輩、同級生、現役時代に対戦したことのある指導者など関係者が多く、私がロアッソ熊本の一員になったことに驚いていました。私が一番、驚いていますが(笑)
今 回の遠征で感じたことは、前々回の「運動と脳の関係 前編」で「遊び」というキーワードをあげましたが、大人になっても「外に遊びに出る」ことの大切さ です。熊本だけで「遊ぶ」ことは、知り合いだけで「遊ぶ」ことは楽しく居心地の良いものですが、「新たな気付き」や「新たな出会い」は生まれません。私た ち大人が大なり小なり成長することは、子供や地域(社会)により良いものを還元し、作ることができると思いませんか?私で言えば、ガンバ大阪・京都パープ ルサンガ・ヴィッセル神戸(伊丹)・サンフレッチェ広島の選手たちと対戦し、スタッフと会話し、クラブの専用グラウンドやクラブハウスに触れたことは、貴 重な財産になりました。後は、この財産を熊本に還元するだけです。還元することは簡単ではありませんが、このワンポイントレッスンでも紹介させて頂きま す。
さて、今回は運動と脳の関係 後編。
子どもたちのあるデータを紹介します。「体力 運動能力」「学力」「学習意欲」について1997年と10年後の2007年に調査した結果です。(学術会議対外報告2007より)
社会や環境は私たち人間にとって快適で便利で効率的なものになる一方で、私たち人間の機能は低下しています。前編で「運動は脳のほぼ全ての領域を使う」と 紹介しましたが、運動(遊び)の減少が、この体力、学力、意欲に深く関係していると言われています。
小 学生や中学生の遊びと言えば、ゲームやカードです。体を使う遊びから頭だけを使う遊びになっています。頭を使うので、学力や意欲は高まると思われている かも知れませんが、現実は「低下」「退化」しています。家庭と学校、クラブが協力し合い「体や人を通じた遊び」を啓発することが、減少傾向にある体力、学 力、意欲を食い止める1つの方法ではないでしょうか。