言葉の前に体験させる

キッズのためのメンタルトレーニング - 第115回
掲載日:2013年5月28日

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熊本の学校では運動会・体育大会が行われていますね。運動会と言えば秋の風物詩じゃなかったのか?昔人間の私は…未だに春の運動会に慣れない中、先日約20年ぶりに熊本市内にある中学校の体育大会を見に行きました。
久しぶりの体育大会に興奮と感動。真剣に見る私の姿は親の如くでしたが、そこには個々が1つの集団になり、属する集団の勝利のために個々が奮起する子ども達の姿がありました。

素直な感想は「体育大会は日本の教育」と感じましたね。
そう思った理由は、年々「悔しい」「恥ずかしい」という感情を得る経験・学習が少なくなり、回避・打破するための行動を自発的に取り組めない子どもが増えているからです。
最近、「笑われるよ」とか「馬鹿にされるよ」という言葉に何も感じない子どもが増えているように思います。また自分が他人にどう評価されているかも気にならない。私の場合、そんな事を言われているなら「くそーっ」と、言われない男になろうと取り組んでいましたね。
その解決策の1つとして体育大会のような取り組みは有効だと思いました。
1つ1つ個人競技から団体競技のプログラムに順位と点数が与えられ、最終的に総合点で結果を示される。また、個人競技や集団競技があるところも社会性・協調性などを学べます。

自 分の言動からの結果、それに伴う周囲の評価、この2つの出来事から生じる本人の感情は大切な学習だと思います。現代は言葉や論理的思考という手段で変 化・成長させることが多いようですが、これだけでは不可能です。逆に言葉や理論や理屈だけを教えていると「頭でっかちで行動ができない」か「言い訳して自 分を肯定化する」人間になってしまいます。

目の前の子ども(選手)に体験、特に心に響く体験を提供すべきだと思います。
体感しなければ、いくら言葉や思考を通じて指導しても言葉の意味や考える理由が理解できません。
講演や指導する時に感じることですが年齢が高くなればなるほど、理解力が高くなるのは人生経験や様々な出来事を経験しているからでしょう。
今の言動が自分の目的(夢・目標)に対する言動と一致しているかの判断をしっかりと「体験」を通じて、教える必要があると思います。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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