キッズのためのメンタルトレーニング - 第108回
掲載日:2013年2月19日
なぜ「きょうだい」で性格が違うのか疑問に思ったことはないでしょうか。
皆さんの周囲にも「同じ両親から生まれたの!?」と言いたくなるほど、性格が全く異なるきょうだいがいますよね。又、保護者から「何できょうだいで、こんなに違うんでしょうね」と聞いたことはないでしょうか。
そこで今回は、同じ母親から生まれ、同じ家庭で育っても、きょうだいで性格が異なる理由についてお話したいと思います。
一番の原因と考えられるのは「それぞれの子どもに対する親の接した方」です。
どこの家の親も最初の子どもには、全てが初めての経験になるので、一所懸命。
では次の子どもは…。似たことの繰り返しとなるため、子育ての感動や関心が少なくなりますね。
私は育児慣れと表現しています。
すると次の子どもは違うことをして親の感心や注意を引こうとしますし、兄が怒られることはしない、褒められることは真似るといった学習をします。
親やきょうだい同士で名前を呼ばずに「お兄ちゃん(お姉ちゃん)」と呼ぶことで、兄と弟との役割分担を認識し、その場に応じた性格を身につけていくと考えられています。
また、親の「お兄ちゃんなんだから○○しなさい」という親の言葉かけが、子どもに兄らしく振舞おうとする性格を身につけさせる原因にもなります。
このように同じ家庭で育っても、出生順位によって親の対処のしかたが変わり、親子関係やきょうだい関係に差が出てくるので、その結果として性格が違ってくると考えられています。
こ のようにエビデンス(証拠・根拠)を踏まえた上で養育を行なえば、子どもとの接し方や関わり方、また対処の仕方が変わると思います。特にエビデンスを知 ることは親や指導者の感情コントロールに効果があると思いますので、ぜひ自分だけの価値観や学習だけでなく、証拠や根拠を知って下さい。次回はきょうだい のそれぞれの性格についてご説明します。