誰と戦っていますか?

キッズのためのメンタルトレーニング - 第35回
掲載日:2010年3月23日

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子どもに「前向き・積極的にプレーする」ことを望むのは、あたり前ですね。
言葉を変えれば「失敗を恐れずにプレーする」ことでしょうか。

私たち大人が「前向き・積極的にプレーする」ことを望み、熱心に指導や教育を行う一方で、子ども達はストレスを抱えているようです。

ある試合で1人の子どもの動きが気になりました。
一生懸命にプレーしているのですが「目線」が相手やボール、そして…指導者と親でした。
目線は人の心が何処に向いているか分かるポイントの1つです。
この子どもは、サッカーをしながらも指導者や親のことが気になっているのでしょう。

実際に、ある中学校で厳しく指導される監督のもとで優勝を目指し頑張っているチームにメンタルトレーニングで関わった時の話です。
監督は「本番に力を発揮できないから、発揮させたい」という気持ちを持たれていました。
選手たちに「何故、本番で力を発揮できないのか」と質問したところ、「結果を恐れる」「失敗すると迷惑をかける」「自信がない」「怒られる」という答えが返ってきました。
この子ども達は「ミスや失敗すると厳しく指導される」ことに気持ちが向いていたのです。
試合中のことを聞くと「チラ見ばかりしています」と答えていました。

怒ることも、熱心に教育するのも指導の1つですが、これが過剰になると逆効果のようです。
気にするところ(考えること)を間違えてしまいます。
私たち大人でも結果や他人からの評価を気にしていたら、心理的にも行動も普通ではいられません。

時と場合を考えて、効果的なコーチングや応援を心掛けてはいかがでしょうか?


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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