本人に考えさせる

キッズのためのメンタルトレーニング - 第89回
掲載日:2012年5月29日

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5月中旬から熊本県内の小中高では運動会が行なわれています。
残暑、多忙な学校行事、受験などの理由から運動会が秋から5月に変わりました。
「運動会は秋」という常識が変わろうとしていますね。

秋と言えば食欲の秋、読書の秋、運動の秋という時代は一昔前の常識は、今では死語化しています。
秋という季節(気候)からの風物や行事ではなく、人間が生きる為から作られる風物や行事になるのは…と自然と共有して生きる人間の立場から考えると私は寂しさを感じます。
一方で、5月21日の金環日食による経済効果は164億円!しかもたった3分の為に。
私たち人間が自然の神秘な現象にどれだけの関心があるか理解できますね。

今回は保護者へのメッセージ。スポーツの現場で働き始めてから9年目を迎えますが、保護者との会話の中で「?」と思うことが多くなりました。
以前は「息子が伸び悩んでいます」とか「もっと鍛えてよかですよ」など、プレーや教育に対する内容でしたが…現在では「何時に起せばいいですか」「弁当はいりますか」「着替えは必要ですか」と生活についての内容ばかり。あまりにも過剰になっているようです。

何時に集合だから逆算して何時に起きなきゃ。昼すぎまで練習(試合)はあるから弁当は必要。汗をかいたり雨が降りそうだから着替えは必要。私が答えなくても、子どもに考えさせれば答えはでるはずですよね。

その結果、現在の子どもたちは「自ら考え、自ら自主的に行動し判断する力」が低下していると思います。
「そんな事ない」と思われる方もおられるでしょうが、スポーツの携わる先生や指導者からの相談で一番に多い質問です。

失敗しないように、恥をかかないようにと思う親心はよくわかりますが、失敗して恥をかかないと理解できないこともあります。
私がメンタルトレーニングの講習会で反応が良い方は人生経験がある30代~以上か、経営者(指導者)の方です。
なぜ反応が良いのか!?色々な経験をしてきたから、様々な思いをしてきたから。

子どもとの会話を増やし、子どもに決定させる(行動させる)ようにして下さい。
今よりも親の話しに耳を傾け(助言が欲しいから)、今よりも理解すると思いますよ。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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