必要最低限

キッズのためのメンタルトレーニング - 第87回
掲載日:2012年4月25日

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暖かくなってきましたね。最近、車を運転していると…蝶が優雅に飛んでいる姿をよく見かけます。私はいつも「春だな!」と感じられる好きな瞬間です。
心理学的に「ゆっくりとした動き」に心を向けると、心が落ち着くといわれています。自分の心と何が(対象物)結びついているかで、心の状態は良くも悪くも 心の状態が生活や人間関係、身体に影響を与えてしまうので、気持ちが何の対象物に結びついているのか、常に意識することをオススメします!
私たち現代人は毎日が慌しい生活の連続なので、蝶が舞う姿は心のオアシスではないでしょうか?

「保護」は悪いことではありませんね。保護とは「外からの危険・脅威・破壊などから、かばい守ること」ですから、子どもに対する親の言動としては当然のことです。
しかし…過保護となると少し違う意味を持ちます。
過保護とは「子どもに必要以上の保護を与える」こと。最近、思うことですが指導や教育を考えると、子どもに対して「教えすぎ」「与えすぎ」ではないかと。過剰になりすぎているのではないかということです。

指導マニュアルや教育プログラムが発展・確立され、効果的・効率的になっていることは、素晴らしいことですが、「あれもこれも」と子ども達が自ら学び、気付くことさえも計算の上で教育、指導を行っています。
私たち人間は経験があって初めて学習されます。
○○をすると危険だ!とか、○○してしまうと迷惑をかける。○○だと自分が損をするなど、本人の体験があってこそ身になります。それを、このコラムでも何 度も紹介したように「転ばぬ先の杖」ではありませんが、体験の前に教え・与えることは、本当の学習ではないように思います。

先に教えることはダメだとは思いません。実際に生活(社会で生きていくため)に必要なことは事前に伝えていかなければなりませんから、バランスが大切だと思います。
ここで言いたいことは、必要以上で過剰な保護は、子どもたちの精神的なタフさや判断力を弱めてしまうことです。子どもが自立して生きていくためにも必要以上の保護ではなく、必要最低限の保護をオススメします。
必要以上になりすぎた子どもの口癖でその意味が理解できると思います。
何かの問題や課題が生じると「言われていない」「教えてもらっていない」と言う子どもたちです。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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