客観的に自分を見つめよう

キッズのためのメンタルトレーニング - 第124回
掲載日:2013年10月2日

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東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大選手の活躍というより偉業には鳥肌が立ちますね。開幕23連勝の世界記録!簡単に出来ることではないことは、今までの記録保持者を見て(歴史を見て)理解できるでしょう。

こ の記録は並外れた努力があってこそだと思いますが…生まれ持った身体(肉体)があるからこそできたのではないでしょうか!?スポーツの競技力やパフォー マンスに重要とされる「心理・技術・体力」の3要素を鍛えた続けたこと以上に、両親から頂いた体の強さ(丈夫さ・柔軟さなど)が全てだと思います。

私は、子ども達に身体を「軽自動車」「乗用車」「高級車」「スポーツカー」と例え、競技力を速度(スピード)で説明します。
競技力(速度)を上げたいなら、体(車)を良くしなければなりません。しかし、体は生まれ持った素質が関係するので、どうしても限界があります。マー君は生まれ待ったスポーツカーなんでしょうね。
ちなみに子ども達には、持っている体で成果を出す、力を発揮することを客観的に考えようとアドバイスします。

先日、大会を終えたチームに足を運びました。
子ども達と講義を行う前に、必ず監督とチームや選手に現状や課題についてディスカッションしますが、「エラーが全てだった。特に○○選手のエラーが敗因の 1つだった」と伺ったので、講義で「なぜエラーをしたのか」と本人に質問しました。本人は「ポジションニングが悪かった」と答えました。私はこれだけで判 断しません。いやできません。次にチームメイトに「なぜエラーしたと思いますか?」と周りから見た原因を聞きます。チームメイトは「緊張していた」「体が 動いていなかった」「一歩目が遅かった」「技術不足」「ポジションニング」と回答しました。ポジションニングよりも「緊張」「一歩目が遅い」という答えが 多く上がりました。

私は彼に「チームメイトは違うことも言っていますが」と質問すると「いや!僕はポジションニングだと思います。僕の中ではポジションニングです」と答えました。

長 くメンタルトレーニングをしていますが、変化・成長できない選手の共通点に「客観的思考ができない」があります。自分で自分を判断することに限界があり ます。自分ではこうだ!思っても後から自分のプレーをビデオで観ると…このような経験はあると思います。自分の寝癖を見つけるのに限界がありますよね。だ から鏡を見たり、人から寝癖を指摘され気付くものです。

伸び悩んでいる人・成果を出したいがどうしていいか解らない人・うまくいかせたい人は客観的に自分を観る癖をつけて下さい。自分を自分で観ることを心掛けて下さい。

チームメイトはエラーをした選手に対して「お前はいつも人の話を聞かない」と、そして私に「いつも同じミスをするんですよ」と教えてくれました。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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