子どもに同調。同情しない

キッズのためのメンタルトレーニング - 第65回
掲載日:2011年6月14日

photo

先週末は久しぶりの豪雨でしたね。「バケツをひっくり返したような」といいますが、熊本県内では避難勧告が出るほどの雨量。週末の各年代の試合は中止(延期)になりましたが自然現象ですから仕方ないですね。

仕方ないですが、皆様は子どものことで仕方ないからコミュニケーションをスタートしていますか?最近、保護者と子どもの会話の中で気になることがあります。

私 のブログでも紹介しましたが、子ども達は目の前に現れる結果に対して、結果の原因を自分自身に向けず、人や環境に向ける傾向があります。実話ですが、 「試合に使ってもらえない」ことを自分の実力ではなく監督やスタッフ・チームに問題があると考える選手が本当に多くなりました。
私なら(普通なら)「どうしたら使ってもらえるのか」「自分の課題は何なのか」と考えますが。このように外に原因(責任)を求める選手は「辞めます」「面白くない」といいます。また、素直にアドバイスを聞きません。「寝癖がついているよ」と教えているのに受け入れない人のように…残念ですね。

なぜ、このようなことが起こるのか!?私なりに考えてみました。
「使ってもらえない」「うまく行かない」「結果がでない」と悩む子どもに対して家族(親)の反応が気になります。
子どもが「使ってもらえない」と話すと「何で、あなたが使ってもらえないの」「こんなに頑張っているのにね」「どんな指導しているの」「指導者の見る目がない」と即座に同調。同情しているのではないでしょうか!?

使ってもらえない。必ず原因はあります。その原因の多くは「本人」にあります。
「使ってもらえない」と相談してきた時に、即座に同調・同情するのではなく「何故、使ってもらえないか考えてみて」とか「レギュラーになれるように、本当に頑張っているの」と現在の結果を受け止め、会話をスタートしてほしいと思います。

そうすれば、必ず原因(責任)を外に向けずに内側に向け始めます。内側に向け始めれば、レギュラーになるなどの本人が求める結果の答えは自分の中にあるので、解決策が分かります。
確かにチーム構成上の問題で使ってもらえないケースもありますが、その時はチーム構成に入る選手に変化するしかありません。受け止め方・捉え方も変わるはずです。
親の言葉は一番です。言葉1つで自分に矢印が向き「自己分析」を始めます。外ではなく内に原因を探ろうとします。本人にとってベストな行動ではないでしょうか。


写真
松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

よければこちらのコラムもどうぞ

© NPO法人 熊本県キッズサッカー協議会
Produced by Answer International