環境は親だけの問題ではない

キッズのためのメンタルトレーニング - 第75回
掲載日:2011年11月1日

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早いもので今年も残すところ2ヶ月となりましたね。
昨年の今頃は何をしていたのかと、昨年の手帳を見ると、大津高校サッカー部コーチとして選手権大会の真只中!思い出せば、数年ぶりに新人戦・総体と連続し て優勝を逃し、周囲から「大津高校も終わりか」など言われながらも選手たちと優勝を目指して戦っていました。決勝ではルーテル学院を延長の末、FW米良君 のゴールで勝利を手にしました。久しぶりの男泣きでした…

「手帳」または「日誌」は自分自身を振り返る、また長谷部誠で言えば「心を整える」には必須のアイテムではないでしょうか(笑)原稿を書きながら、手帳の効果に驚いています。
約10年前、自己啓発の方から「成功者は手帳をつける(スケジュール管理)習慣がある」と言われ、それから現在まで続けています。

前回、環境のお話をしましたが、今回はより具体的に環境についてお話したいと思います。

「心身は遺伝子と環境の影響を受ける」と言われ、私たち大人が子どもにできることは、環境面です。
その環境には「共有環境」と「非共有環境」があります。
共有環境とは「親や子が接する(関わる)環境」、非共有環境は「外部と子が接する(関わる)環境」です。
ここで遺伝子、共有環境、非共有環境が子どもに与える影響について研究したデータがあります
(慶応義塾大学双生児研究で検索されると見ることができます)

遺伝率 共有環境 非共有環境
身長 0.66 0.24 0.10
体重 0.74 0.06 0.20
知能 0.52 0.34 0.14
宗教 0.10 0.62 0.28
学業成績 0.38 0.31 0.31
創造 0.22 0.39 0.39
外向 0.49 0.02 0.49
職場興味 0.48 0.01 0.51

意外にも非共有環境の影響を受けています。心身の影響は親と我が子の関係だけではありませんね。
子どもに関わるすべての環境、つまり人が(環境は人が作る)、この現実を知ってほしいと思います。
チームやグループに関わる大人ひとりひとりが、子どもの心身に影響します。我が子だけでなく、他人の子にまで影響していると思えば自分の言動を今一度、見つめ直してほしいと思います。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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