体験が理解の始まり

キッズのためのメンタルトレーニング - 第81回
掲載日:2012年1月31日

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やっと大学が終わりました!といっても再来週の結果次第で卒業ですが(笑)
34歳から、科目等履修生として目標の「36単位」を履修するため2年間勉学に励みました。中央大学の頃、なぜ今の気持ちで取り組まなかったのか…社会人になり「勉強の大切さ」を理解、痛感してきたからだと思います。
知識や常識は知らないより、知っていたほうが得ということを実体験したから。
私は思いました…子ども達に「勉強しなさい」だけでなく「勉強する意味や理由、又は効果や利益(徳)、不利益(損)」を伝え続ければと!

耳だけは人間の五感の中で管理できない機能です。
三猿の「見ざる、聞かざる、言わざる」がありますが、見る(目)ことと言う(言葉)ことは管理できます。目を閉じれば言葉を発しなければいいのですから。しかし、聞くことは手で塞ぐか耳栓をしなければ管理できません。
保護者から「何度言っても聞かない」という相談がありますが、私は「言い続けていますか」と聞きなおします。すると「言い続けているのですが…」と。もっ と言い続けて下さい。「耳にたこができる」何度も繰り返し同じことを言われてうんざりする。嫌になるという意味ですが、うんざりさせて下さい。
効果的なうんざりは、先程お話した「○○する意味や理由、又は効果や利益(徳)、不利益(損)」を言うことではないかと思います。また、言い続けるだけでもNGです。

子どもは様々な体験を通じて自分を形成します。
言い続けていることが経験により落とし込まれます。
例えば「風邪をひかないように早く洋服を着なさい」と教えますが、子どもはお構いなし。しかし、実際に熱をだしたり、喉が痛くなれば…「早く洋服を着ないからだ」と理解します。
言い続けるだけではなく「体験」が必要なことがお解かりでしょうか。

私は親(大人)の根気や忍耐、子どもと向き合うことと、子ども体験の少なさが理解力に影響していると思います。
このバランスをとることも親(大人)の役目です。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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