親とクラブとの関わり

キッズのためのメンタルトレーニング - 第36回
掲載日:2010年4月6日

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私事ですが、先月の中旬から月末の間、スペインはビジャレアルCFというクラブチームにサッカーとメンタルの勉強に行ってきました。
きっかけは、昨年「いい話がありますが、どうしますか?」とロアッソ熊本の育成におられる永尾さんからのお誘いからでした。
永尾さんの人柄から具体的な話も聞かずに「いい話なら」と即答しました。

ス ペインといえば昨年、メッシ選手で有名なバルセロナが1年間のタイトルを全て獲得した国です。又、ビジャレアルCFは日本で言えばS級ライセンスにあた る指導免許を取得し、スペインの強豪を渡り歩き指導を行っている佐伯夕利子さんがおられ、ヨーロッパで育成やクラブ運営で注目されているチームです。

今回は、このビジャレアルCFに滞在期間に、当クラブのジュニアユースの責任者と会談した内容の1つである「親とクラブの関わり」をご紹介したいと思います。

スペインのクラブチーム、特にビッククラブ(例えば:バルセロナ・レアルマドリード・バレンシアなど)は基本的に、コーチ(指導者)は親に対応しないとのことです。
クラブやコーチ、又は選手(子ども)に対し、何か疑問や質問などがある場合、クラブ担当者が対応するそうです。
これはクラブとして正しい行動や育成を行う上でとても重要だということのようです。
チームとしてはトップの成績と同様に、育成にも同じエネルギーを注いでいるため、育成システムはしっかりとしています。
チームの方針を基準に判断して頂くという考え方が主であり、あくまでも「判断」するのは親ではなく「選手」(子ども)という考えがあります。これは、サッカーに必要とされる判断力をピッチ外でも養うためだという教育があるからです。

子どもの前に親が疑問や質問があるのは、親なら当然だと思います。
子どもに正しく、ためになる環境を与えたいのが親の思いですから。
しかし、教育という観点から考えると「子どもの考え」を尊重し、子どもに判断させることが私も大切だと思います。
アドバイスのようで、アドバイスではない姿勢は、子どもの心を育てるのには逆効果かもしれませんね。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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