同一視(憧れ)の効果

キッズのためのメンタルトレーニング - 第114回
掲載日:2013年5月14日

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最近、もっと自学自習する場を(時間を)意図的に作らなければと感じる毎日です。
生活が「ルーティン」になることは心理的(感情的)に悪いことではありません。
(ルーティン/ルーチンとは「決まりきった手続き・手順」のこと。)
しかし、人間は「刺激」により学習する生き物ですから、決まりきった行動は成長・進化から見ると決して良いとは言えません。

子どもの生活を例にして考えると皆様も理解できるはず! 1日同じ生活はないはずですし、日々新しい刺激を求めていますよね。質問したり、落ち着きなく動きまわったり…。
そんな子ども達の言動を見れば見るほど「学習していないなぁ~」と感じる訳です。

子どもを見て学習させられる私ですが、子どももまた「何かを見て」学習しています。
最近のスポーツ心理学研究で、子どもがスポーツを始める・続ける要因の1つとして「同一視」が考えられています。
同一視とは心理学の分野では「憧れ」という概念です。

同一視の影響を受ける時期は男女とも「小学生」でした。
これはスポーツに限ることではありません。テレビ・マンガに登場する人物にも憧れます。
先日、映画の宇宙兄弟を観ましたが、南波兄弟が幼き時「宇宙飛行士」に憧れています。
この映画は心理学の要素が多く含まれていますよ。

では、スポーツ分野では誰を憧れにしているかですが性別・発達段階に関わらず「有名スポーツ選手」です。
次に「先輩」・「指導者(教師)」です。
スポーツ選手は小学生や中学生低学年に見られ、先輩・指導者(教師)は中学生高学年・高校生以上に見られます。

以上から、子どもに運動やスポーツに参加させ継続してもらいたいと思うなら、私たち大人はスポーツ指導だけでなく、憧れの人物の推奨、子どもがおかれている環境・集団(人、特に先輩)。
自分自身も魅力ある人になることに励まなければなりませんね。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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