温故知新

キッズのためのメンタルトレーニング - 第80回
掲載日:2012年1月17日

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新年明けましておめでとう御座います。今年も皆様に役立つコラムになるように、実生活で参考になる内容をご紹介させて頂きます。といいながら2012年がスタートして、早いもので三週目になりましたね。皆さん今年の「抱負」は何でしょうか?
抱負とは「心に抱いている決意や志望」のこと。私は年男にちなみ「振」にしました。
振は辰の言語で「動いて伸びる」「整う」を意味しています。動きまくりながら自他共に成長し、自分自身、熊本や県民、生活や心を整えていければという思いです。年賀状にも今年のテーマとして宣言させて頂きました(笑)

私 たちの習慣的(日常的)な行事となっているものは、全てに意味があると思っています。「新年の抱負」も正月行事の一つでした。詳しくは「書き初め」とい い、新年の抱負や目標をしたため「吉書」ともいいます。年神様のいる恵方に向かって祝賀や詩歌を書いたことに由来しており、本来は事始めの1月2日に行い ます。昔の人は神様に向って今年一年の決意を文字や言葉にしていたのでしょう。とても大事なことですよね。

しかし…子ども達や周囲の人に 「今年の抱負は?」と質問しても「…」。ほとんどの人が答えることができません。私が幼少期、元旦に祖父母を中心にして親戚 一同が新年の抱負を1人1人発表していたので、新年に抱負をのべる(考える)ことが癖になっています。ちなみに母親の4人姉妹は経営者3人の小学校教諭1 人。深い関係はないと思いますが、抱負が志を強化していたのでしょうか。

日本の伝統的な行事やしきたりは意味や効果があるから、現代まで 続けられていると思います。しかし、時代の流れと共に古き良き伝統が薄れています。私たち の今があるのも、今までの行事、しきたり、伝統を行なってきたからこそ。子ども達にも同じことを同じようにさせることが、何よりも大切な教育ではないかと 思います。新しいことを取り入れさせるより、古いことから学ばせることが日本人らしさ=日本社会で生きていく力になるのではないでしょうか。マネジメントで世界的に有名なドラッガーの後継者たちは「今の日本人が求めていることの答えは、戦後の日本人のメンタリティーである」と。

今年一年は皆様にとって素晴らしい一年になりますように。


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松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

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