教えすぎるあまり

キッズのためのメンタルトレーニング - 第73回
掲載日:2011年10月4日

photo

季節の変わり目とは、まさに「今」ですね。季節の変化に私たちは敏感に反応し、柔軟に対応します。特に、食べ物を変える。洋服を変える。毛布に変え る。な ど衣食住には進んでか仕方なくですが、変化させています。人間の力ではどうしようもないからでしょう。しかし…自分自身の変化、心の変化、習慣の変化とな ると、季節のように敏感に柔軟に対応(変化)できません。環境を選べるか、避けられるからでしょうね。

寒暖というストレスが私たちに変化 を与えることを考えると、変化には「刺激」が必要なことが理解できるのではないでしょうか。また季節という「強制的」な 刺激は変化を促進させています。刺激と強制は心理学でも立証されている変化の原因です。それぞれに具体性な詳細はありますが、人を変化させるための秘訣で す。子育てや教育。指導でも身につける(習慣化)ために、刺激や強制を活用していると思います。

現在、選手たちが(子どもたちが)「考え なくなった」とか「考えようとしない」(考えていない)という言葉を指導の現場では耳にします。確かに私もメンタ ルやサッカーの指導を通じて感じることですが、選手(子ども)だけが悪いのでしょうか?私たち大人にも原因があるのではないかと思うのは私だけでしょう か。

1つの答えは幼少期から「教えすぎ」「与えすぎ」だと思います。現代の指導法にコーチング・ティーチングがあり、コーチングは「指 導」。ティーチングは 「回答を教える」です。ティーチングが指導、教育に効果的で具体的に説明すること(理解させること)が指導だと思う方が増加し実践していることが、考える 力を低下させていると感じます。

刺激と強制といいましたが、昔は「○○しなさい!○○しなかったら…わかっているね!」でした。現在は 「○○し なさい。○○はこうやってするんだよ」。昔なら必死で考える、行動しないと…と思いますよね。これはどちらも正解ですが、幼少期では教えるのではなく、自 分で考えさ、自分で行動に起こさせるように促すことが大切ではないかと思います。結果を急ぐあまり、他人と比較するあまり、競争のあまり、考えさせる余裕 がなくなったのも事実ですね。


写真
松山 周平(まつやま しゅうへい)
1976年3月21日、宮崎生まれ。
ロアッソ熊本 アカデミー部長
スポーツメンタルトレーナーとして熊本を中心に九州の中学・高校の部活動から大学、クラブの様々なスポーツ競技、種目のチーム及び選手達の心理面の強化・サポートを行う。

よければこちらのコラムもどうぞ

© NPO法人 熊本県キッズサッカー協議会
Produced by Answer International